発売日:1983年9月9日
価格:3,800円
メーカー:任天堂
マリオ兄弟初の主役 2人同時プレイが超熱い
任天堂の顔でもあるマリオとルイージが初の主役となった固定画面ACG。敵を床から叩いて気絶させ、蹴っ飛ばすアクションが新しかった。登場する敵は、カメやカニ、ハエ、ファイヤボール、氷の柱など個性豊か。最後の一匹になると、高速で迫ってくるため、より緊張感が増す展開に。ボーナスステージでは。制限時間内に多くのコインを集める。3度まで叩けるPOWブロックは、すべての敵がひっくり返り、ひっくり返った敵は元に戻る。ゲーム中のBGMはなく、効果音だけで雰囲気を表現。また、本作を語るうえで欠かせないのが、2人同時プレイである。友達と協力したり邪魔したりと、自由度の高い遊びが楽しめる。
ゲームシステム
- マリオとルイージ(1Pの場合はマリオのみ)は、左右のパイプから次々と現れる敵キャラクターをブロックの下からジャンプで叩いてひっくり返し、自機で接触して蹴り飛ばすことで退治していく。
- ひっくり返った敵は放置すると復活してスピードアップする。突き上げても復活してしまうが、この場合スピードは変わらない。
- ステージ下部の中央には3度叩けるPOWブロックが存在し、接地しているキャラに全て突き上げの効果を与えることが出来る。2回目以降のボーナスステージごとに復活する。
- 1体の敵を倒すごとにスコアアイテムのコインが落ちてくる。コインはブロックで突き上げる他、直に接触することでも入手可能。
評価点
- 単純明快なゲーム性と絶妙な難易度調整
- 敵を床下から突き上げて、敵を蹴り飛ばすだけというわかりやすいゲーム内容のおかげでとっつきやすく、誰でもプレイが出来る。
『スーパーマリオブラザーズ』以降しかプレイした事がないとシステムの違いに戸惑うかもしれないが、理解の難しい内容ではない。 - 一方で、プレイしやすいというだけでゲームの難易度は決して甘くはない。敵のパターンは上記しかいないが、それらを巧みに組み合わせた難易度調整は実に絶妙。
- 敵を床下から突き上げて、敵を蹴り飛ばすだけというわかりやすいゲーム内容のおかげでとっつきやすく、誰でもプレイが出来る。
- 自由度の高いゲーム性
- 本作の2Pプレイは基本的に協力プレイだが、先の通り対戦ゲームとしての側面もあり、他プレイヤーを罠に陥れる策がいくつも存在する。
- 倒れていた敵を蹴り飛ばそうとしている他プレイヤーに合わせて敵を叩いて起こし、ミスさせるという戦法はもはや定石。
- 他機と接触すると押し出すという性質を利用し、押し出される直前にスカして敵に当てるというやり方などもありで、かなり熱い読み合いが繰り広げられる。
問題点
- ジャンプ制御の難しさ
- ジャンプする前はある程度制御出来るが、ジャンプした後が問題。このゲームは空中で移動制御出来ず、本作で操作に癖があると言われる原因である。
ジャンプの感触が重い上に、自機そのものに強い慣性が働いていることも制御のし難さに繋がっている。後のマリオシリーズと比較しても、本作は特に制御しづらい。- パワー床に乗るためには慣性を理解する必要がある(普通に乗ろうとしてもパワー床上では止まれない)。具体的には、歩きながら(≠走りながら)ジャンプするか、(下ではなく)横のフロアからジャンプしないと乗れない。
- ジャンプ軌道は、「走る(レバー入れっぱなし)」と「歩く(レバーを小刻みに入力する)」で変化する。また、この使い分けは凍った床などでも重要である。
- 一度他プレイヤーに打ち上げられると、場所によっては延々と垂直にノックバックさせられ続ける状態が起こる。これは対戦モードでは確殺のテクニックとして利用される。
- ただしこの状態だとノックバックさせている当人も動けなくなる。もっとも、これをかけている方が超有利なことに変わりないが。
- ジャンプする前はある程度制御出来るが、ジャンプした後が問題。このゲームは空中で移動制御出来ず、本作で操作に癖があると言われる原因である。
- エクステンド設定の不自由さによるバランス崩壊
- ノーエクステンド以外はどの設定でも初回以外は3万エブリであるので、結局は「3万エブリorノーエクステンド」であり店舗としては設定によって客層に合わせた調整をしにくい。
- ある程度のサービスはしたいが長時間プレイはされたくない店などで、「6人設定&ノーエクステンド」という設定もよくみられた。こういった店では2人プレイに2クレジット要求されることも多かった。
- この反省からか、以後の任天堂作品ではアーケード撤退まで「初回エクステンドとエブリエクステンドを個別に設定可能」と設定の幅が広げられている。
- ファミコン版ではエクステンドは1回限り。
- エクステンドに起因するキルスクリーンも存在する。カンスト寸前のいわゆる「無限エクステンド」状態に入るとまず処理落ちし、その後残機255を超えた瞬間にゲームオーバーになる。このキルスクリーンはノーエクステンド設定では発生しない。
- ノーエクステンド以外はどの設定でも初回以外は3万エブリであるので、結局は「3万エブリorノーエクステンド」であり店舗としては設定によって客層に合わせた調整をしにくい。
総評
単純明快、しかし奥が深いという任天堂のゲームらしさを体感出来る完成度の高いゲーム。
アーケード版と比べると演出の劣化、仕様の変更はややあるものの、ファミコン版でも本作の魅力を十分、再現しており、白熱したプレイが楽しめる。